地中海の中央に浮かぶイタリアの南の島、シチリア。

ギリシャ人、ローマ人、アラブ人、ノルマン人など多様な支配者の影響を受けてきたシチリアは多くの民族と文化が交錯する場所であり、独特な雰囲気があります。

今回私はシチリアの首都パレルモへ、シチリア発祥の【カンノーリ】を食べにI Segreti del Chiostro というお菓子屋さんへ。
実は、修道院の中に併設されているとても珍しいお店。

ここでは昔から親しまれていた修道院菓子を、当時のレシピで忠実に再現したものを楽しむことができます。
さすが人気なお店、多くの人が訪れるので入り口では整理券が配られていました。

大理石の内装はひんやりとしていて、声が響く。
カンノーリを早速注文すると目の前でクリームを詰めてもらえ、トッピングはピスタチオかチョコチップか、また粉糖のあり・なしを選ぶことができます。

お店のすぐ隣の扉から中庭に出ることができ、噴水の前のベンチに座っていただきます。


筒状のクリスピーな生地に冷たくて甘いリコッタチーズクリームがたっぷり。
詰めたてのクリームは滑らかで、生地のさくさく感が損なわれていないのでとっても美味しい。
こんなに美味しいスイーツが修道院で作られていたとは驚きです。
どうやら、カンノーリは10~11世紀にシチリアを支配していたアラブ人から導入されたそうです。
そのほかにもアーモンドペーストと砂糖を混ぜたお菓子が多くシチリアに入ってきたことから、シチリアのお菓子文化は発展していきました。
もともとカンノーリはカーニバルや特別な祝い事の時に食べられていたお菓子で、実はその形は男性の、繁殖力の象徴とされたそうです(笑)
当時はお皿にたくさんのカンノーリが重ねて置かれ、最低12個はなければならないとされていたとかどうとか。
ちなみに「カンノーリ」は複数形、単数形は「カンノーロ」です。この記事では全てカンノーリと呼ぶことにします。


カンノーリの他にも鮮やかで美味しそうな修道院菓子がいろいろ。
昔はお菓子は修道院で買う、というのが日常だったそうで、修道院のまわりは甘い香りに包まれていたそうですね。
修道女たちがその修道院の秘伝のレシピを守ってお菓子を作っており、修道院ごとに名物のお菓子があったようです。
ですが、時代とともに修道院で奉仕する人々は減っていき、修道院で伝統的なお菓子が作られることはなくなっていきました。
現代はトレンドを意識したスイーツが人気で、新しいスイーツがたくさん登場しています。
そこで、文化遺産研究の専門家だったある女性が「【伝統のある修道院菓子】を忘れられないために、現代の人々にも味わってもらいたい」と
当時の修道院のレシピを集めて忠実に再現した修道院菓子を提供するためSanta Caterina修道院の中にオープンしたのがこの、I Segreti del Chiostroというお菓子屋さんなんですね。
今となっては世界のどこでも食べることができるカンノーリ。
中のクリームはヤギや羊のミルクから作るリコッタチーズを使うのがトラディショナルですが、現代ではマスカルポーネやホイップクリームを使用したものなども美味しくて人気があります。
日本でもイタリアンレストランやカフェなどで食べることができるので、歴史を感じながらぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
それからイタリア・シチリア島に行ったときはぜひ、本場の【修道院菓子・カンノーリ】を実際に味わってみてください。
歴史ある修道院菓子を実際に修道院内で買う、そしてその場で詰めたてのカンノーリを味わう。
すこし中世の貴族になったような気になれます。(笑)

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